約 6,938,040 件
https://w.atwiki.jp/mtmwk/pages/43.html
Twitterまとめwiki このサイトはTwitterについて解説しているWikiです。
https://w.atwiki.jp/netapoke/pages/1709.html
ネタポケまとめWiki 移転のお知らせ ネタポケまとめWikiが移転していることを利用者にお知らせするページです。 利用者がこのページに気が付きやすいよう、定期的に更新履歴の上のほうに上げてください。 ネタポケまとめwikiは、新しいwikiに移転をしています。 ◆移転先wiki◆ 混乱を避けるため、以降の編集は「移転先wiki」で行うようにし、こちらの「ネタポケまとめwiki」でページの更新をしないようにして下さい。 移転までの経緯 管理人は長らくwikiを放置しており、新規ページをメニューに追加できない・適切でないリンクを削除できないなど様々な弊害が生じました。 運営用掲示板にも、2013年11月上旬を最後に3か月近く顔を見せておらず、さらにその最後の書き込みの内容が 「自らの行った不利な事実を暴露された」ページの削除及び、その編集者の規制に関しての書き込みでした。 このような管理権の行使を行っておきながら、利用者から求められていたリンク修正等の要望に中々応えず、恣意的な管理権の行使が行われている現状でありました。 最近になってようやくそのような要望に反応を見せましたが、追加されたのは不在中に作られたページ2件のうち「管理人が判断した」1件のみであること、 自らの管理権の不適切な行使を棚に上げ利用者のモラルや責任を問うなど、問題点は多々あります。 これは、「メニュー・トップページを自由に編集できる構造なら起きなかった」問題であり、また管理人に問題を根本的に改善する姿勢が見られないため、 新wikiを建てそちらへ移住する案や管理権の強制譲渡などの意見があがることになりました。 その後、管理権譲渡に関して管理人が拒否の姿勢を見せたため、問題解決のためには新規wikiへの移転が適切であるという結論に至りました。 今までネタwikiに加筆してくださったたくさんの編集者の方々の努力を恣意的な管理権の行使によって腐らせないためでもあります。 管理権譲渡に関して 議論 移転に至るまでの経緯や議論はこちら→管理人不在を議論するページ
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/26.html
スレッド設定 板ごとにレスの文字数や改行数の制限が異なります。以下の表を参考にしてください。 板 アニキャラ総合 アニメサロン したらば避難所 備考 名前の文字数 64 64 64 単位はbyte 1レスの行数 60 48 100 1レスの文字数 4096 ? 4096 単位はbyte 過去スレ一覧 関連スレッドについては別サイトをご覧下さい。 板 アニキャラ総合板 アニメサロン板 したらばBBS「SSスレ避難所」 スレッド ナイトウィザードクロスSS避難スレ 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.29 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.28 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.27 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.26 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.25 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.24 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.23 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.22 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.21(アニキャラ総合) 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.20 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.19 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.18 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.17 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.16 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.15 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.14 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.13 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.12 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.11 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.10 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.9 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.8 【柊】ナイトウィザードクロスSSスレ【NW!】Vol.7 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.6 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.5 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.4 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.3 【柊】ナイトウィザード クロスSSスレ【NW!】 Vol.2 柊蓮司を他アニメの世界に放り込んでみました スレ立てテンプレート 別サイトを参考にしてください。 また、テンプレートに修正が入ったときには、こちらも編集していただけると助かります。
https://w.atwiki.jp/kattenisrc/pages/963.html
509 :名無しさん(ザコ):2013/03/12(火) 14 38 47 ID ak7YhcLc0 ウィザーズ・ワンド(NW)(ナイトウィザード) 武器クラス・杖に分類される"箒"。片手装備。 魔力を持つ者限定の装備であり、装備すると武装が追加される他、魔力+5、空中移動、装甲+200と、 魔法使い系にありがちな「耐久力の低さ」「移動能力の低さ」を補ってくれる。 一方で運動性が5低下するが、魔法使い系は元から低い場合が多いので、さほど問題にならないだろう。
https://w.atwiki.jp/comodo_dragon/
Comodo Dragon まとめWiki FireWallで有名なComodo Security Solutionsが製作したChromiumベースのWebブラウザ「Comodo Dragon」の非公式まとめWikiです。 「Comodo Dragon」のダウンロードページ Comodo Dragonの主な特徴 ・ Windows XP/Vista/7/8(Desktop Mode)で動作 ・ Chrome,Chromiumには標準搭載されている Googleへの情報送信機能などの削除 ・ 独自機能追加 によるセキュリティ機能強化やプライバシー保護の強化 ・ 自動アップデート機能搭載 ・ ポータブルインストール可能 ・ FirefoxやOperaライクなUI +参考画像を原寸大で表示 上記の機能詳細についてはメニューからComodoDragon機能まとめを参照してください。 Wikiについて Wikiという性質上情報の古いもの、間違った情報なども存在する可能性があるのでWiki内の情報をそのまま鵜呑みにはしないでください。 のような矢印画像付きのリンクは外部サイトへのアクセスになります。安全なサイトかどうかリンク先を確認してから移動してください。 現在トップページ以外は誰でも編集できるようになっています。 まだまだ未完成なので是非編集に協力お願いします。 編集が不安な方は編集の練習ページで自由に試してみてください。 管理人へ連絡 問い合わせフォーム もしくはページ下部のコメントへどうぞ コメント test - test 2012-12-26 07 32 05 メニューは左側に、色は赤にしてほしい - 要望 2013-02-28 19 58 55 名前
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/69.html
4-475、479、483-484、~、514 ナイトウィザード!クロス群雄伝 道を切り開く者たち/後編(後半) 「やれやれ説得は失敗したようだな、SIZURU」 「ふぅー、そのようやねNATUKI……」 黒銀の黒狼と漆黒の大蛇を従えた二人の“HiME”は、少女の叫びに敵意を向ける。 気高き彼女の威圧感に帯びることも無く、ただ狂気に歪む。 狂わされた魂は、人の心を理解することも無く、我欲と邪悪に蠢くのみ。 「なら、殺してうちのものにするだけや――清姫ぇ!」 異形の大蛇。 それが咆哮を上げて、なつきへと襲い掛かり。 「っ!」 それになつきは銃身を構え、静かに決意を浮かべた顔で叫ぼうとした。 その瞬間だった。 ――その場に新たな乱入者が現われたのは。 唐突だが、人が一番連想するヒーローの必殺技とはなんだろうか。 合体巨大ロボ? 違う、それは多数を組む戦隊ヒーローに限定される。 全てを切り裂く剣? 確かにそれはあるかもしれない。けれども、剣を持っているのがヒーローの条件ではない。 もっとも日本国民に知られ、憧れと孤独に戦うヒーローたちが兼ね備えている必殺技。 そう、それは―― 「「ダブル☆ヒーローキィイイイイイイイイイイクッッッ!!!!」」 蹴りである。 人間の足の力は、手の三倍。 殴るよりも蹴ったほうが痛い。 もはや当たり前の常識。某GSの男たちだって使っていた伝統。 そして、その二人の飛び蹴りは異形の大蛇を吹き飛ばした。 「なっ?! 清姫ぇ!?」 大蛇の巨体が倒れこみ、濛々と砕けたアスファルトから土煙が上がる。 そして、ゆっくりと立ち込める瓦礫の土煙の上に二人の人影があった。 「だ、だれや!?」 突然の乱入に困惑する三人を代表して、SIZURUが声を上げた。 ちなみにお約束ともいうべき台詞で。 「「フッフッフッ」」 不気味な笑い声が響き。 そして、土煙の晴れた先には。 「俺の名前は柏木クロス! たった一人の戦隊の、リーダーにして構成員!」 紅きスーツを纏ったヒーロー。 一人で戦隊というのは矛盾しているが……まあ気にしない気にしない。 「私の名前はベホイミ! 新感覚癒し系魔法少女!!」 いかにもな格好をした(多分)魔法少女。 癒し系魔法少女が蹴りを放ってもいいのか? という疑問は放置しておくべきであろう。 「「只今参上(ッス)!!!」」 ピシャーンと決めポーズを取る二人。 ……ちなみにもう一人一緒に行動している怪人がいるはずだが、邪魔にならないように近くの 路地裏に置いていったのは秘密である。 「なんだからとっても甘酸っぱい雰囲気で登場しづらかったが、なんとか参上だぜ! ああ、畜生! 青春だぁ!!!」 「甘い、甘い、甘いーッス!! 見てて、とってもむず痒い思いをして、なんか新☆癒し系魔法少女でも耐え切れないラブ臭が したけど負けないッス!」 「……ふざけたやからどすなぁ」 声を上げる二人を睨み付けて、SIZURUが怒りの篭った殺気を放ち、薙刀を振り上げる。 『GIGAYAAAAAAAAAAAA!!』 それに伴い、起き上がる清姫。 「なつきの前に、殺したるわ」 壊れた笑みで、SIZIRUが呟く。 「うわーお、如何にもな大和撫子の癖に殺意満々ッスよぉ!?」 「うガチ百合が怖いってのは本当だったのか!? ――っと、そこの人!」 「な、なんだ?」 突然の乱入者に目を瞬かせていたなつきが、クロスの言葉に我に変える。 「彼女は俺たちが相手する! 君はそこのブラックを倒せ!」 「おわー! レッド、レッド、来たっすよ!!」 「死になされ!」 轟音爆砕。 清姫が吼え猛り、クロスとべホイミが飛び退る。 新たな戦いの火蓋が切って落とされる。 「さて、と」 白銀の銀狼を伴った玖我 なつきと。 「お前と私か」 黒銀の黒狼を連れたNATUKIが残されていた。 「仮にも私ともあろうものがな……男に溺れるなど、想像も出来ん!」 そして、お互いの手に掲げられる――銃身。 「お前は知らないだけだ。想いの力を、大切な存在の温かさを!」 同じ動作、同じ速さ、同じ鋭さを持った二人が同時に引き金を引く、 構え、狙い、タイミング。 それらをまったく同じ体格の二人が、鏡写しに放ったらどうなるか? 答えは――相殺である。 互いに放つ銃弾が、互いの銃弾に激突する。 本来はありえない現象。 以下に熟練したHiMEといえども、そこまで常識を超えた銃技を繰り出せるわけが無い。 だがしかし、かつては同じ人間であった二人が。 平行世界同士の同一人物同士が放つ銃弾は――ありえないはずの偶然を生んだ。 「ッ?!」 「ッ!?」 互いの銃弾に弾かれ、あらぬ方向に着弾する弾丸。 その光景に、互いの脳裏に浮かんだ対応策は同じだった。 より早く、相手よりも速く、打ち抜く。 銃撃が、銃弾が、銃身が、瞬くように二人の手から掻き消える。 撃つ。撃つ。撃つ。 異能の力を用い、弾丸の装填が必要なき拳銃はまるでマシンガンのような速度で速射され、 銃撃の雨を繰り出した。 ぶつかり合う銃弾。 激突する銃撃。 それは永遠に続くかと思われて。 「ッ?!」 NATUKIの頬に一筋の血線が走った。 「どうした? 傷を負ったぞ」 (速度は上回られた? いや、違う!) 驚愕するNATUKIに、なつきはエレメントを操る。 互いに同時に引いた引き金は銃声を上げて、弾丸を吐き出す。 そして、再び激突する弾丸が――“砕けた”。 NATUKIの放った弾丸が、なつきの銃撃に打ち砕かれた。 「馬鹿な!?」 「おぉおおおお!!」 気迫の篭った声がなつきかの口から発せられる。 それに――NATUKIは怯んだ。 「デュラン!」 迫りくる弾丸を、黒きデュランに飛び乗って回避する。 付近の壁を、高層ビルの窓を、デュランに飛び乗ったNATUKIが駆け抜ける。 「はっ、デュランを使うとは――負けを認めるのか?」 「戯言を!! シルバーカートリッジ――ロード!」 『GAW!』 主の言葉に、黒きデュランは窓ガラスの壁を蹴り破り、空中に舞い飛んだ。 鈍い装填音を響かせて、黒のデュランの砲身に弾丸が装填される。 「デュラン!」 それと同時に地上から見上げていたなつきが叫んだ。 『GAW!!』 母の声に、デュランは砲口を上空に上げて、装填開始。 『――テェエエ!』 重なる同じ声の少女の叫びに、戦場が銀色の砲撃に切り裂かれ――炸裂した。 撒き散らされるのは圧倒的な冷気。 全てを凍てつかせる凍土の風。 そして、その白銀の景色の中で。 ――撃墜されし者たちが、地上に激突した。 「ば、馬鹿な……」 衣服まで凍りつき、驚愕の表情を浮かべたNATUKIと。 「これが、私とお前の違いだ」 まったくの無傷で佇むなつきの姿。 そして、白銀からその輝きを変えていく――デュランの姿があった。 その身は黄金。 万物に勝る高貴の輝き。 なつきに宿る想いの強さ。 「≪デュラン・マックスハート≫ これが私の想いの証」 「認めない、認められるものかぁああああ!!」 その言葉に、NATUKIが叫ぶ。 「デュラァアアアアン!! クリムゾン・カートリッジ!」 「デュラン! ダイヤモンド・カートリッジ!」 『GAWAAAAAAAAAAWWWWW!!!』 黄金と漆黒のデュランが同時に砲口を、咆哮を、轟かした。 燃え上がる紅蓮の炎と全てを凍てつかせる絶対零度の閃光。 愛を知らない孤独の焔と愛を知る願いの冷気。 そして。 「悪いな」 そこに残っていたのは。 「これが、私なりの愛だ」 氷漬けの氷像と化したNATUKIと黒きデュランの残骸。 そして、華麗に髪を書き上げるなつきと黄金のデュランがそこに居た。 ――玖我 なつき WIN。 空間が歪む。 周囲の形式が歪み、迫る異形たちもまた血肉を撒き散らして砕けていく。 『まだですか? マサキ』 されど、それは本願ではない。 蒼き破壊神――グランゾンは待っていた。 『もう少しだ! もうすぐ演算が終わる!!』 燃え上がる炎の中で燻る、白き翼が立ち上がることを。 自らが望んだ目的を果たす瞬間を。 しかし。 『おや? どうやらマズイことになったようですよ』 『っ!? あれは――』 グランゾンとサイバスター。 二体の機械仕掛けの神が見上げたそこには母殺しの呪われた焔の児。 黒き翼を生やした――黒のカグツチ。 「なにをするツモりか知らないけれど、邪魔HAサセナイ!!」 焔の龍の口内が迸り、火球が迸る。 ねじくれた空間に捻じ曲げられて、その進路は僅かにグランゾンの横を霞め――大地を消し飛ばした。 『おやおや? 異世界の異能者とはいえ、これほどの威力とは……マズイですね』 『なんとか食い止めろ、シュウ!』 『勝手を言いますね、私も今は動けないのは承知でしょう?』 その言葉の最中にも幾つもの火球がグランゾンに直撃する。 重力制御をかけられた空間に、さらに常時展開された歪曲フィールドに軽減されるものの―― その威力は異常。 展開し続けるグラビトンカノン分の出力低下も相まって、グランゾンの装甲が焼けていく。 最強である破壊神が、焼かれて行く。 「壊れろ、壊レロ、壊レテヨォオオオオ!!!」 絶叫にも似たMAIの叫び声に、黒のカグツチは大き顎を開いて、身に宿る熱量を集めていく。 それは世界すらも焼き尽くす灼熱の焦土。 こことは違う世界では、都市の一角すらも一撃で破砕させた漆黒の焔。 『むっ』 『やべええ!』 それを喰らえば、例えこの二機であろうとも只で済むはずがない。 二人の声に焦りが生じたと思った瞬間。 「き、え、ちゃ、え」 黒き炎の舞姫より、宣告が降りた。 『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!』 黒き焔龍より放たれる破滅の光。 それに、二機の機械仕掛けの神は焼き尽くされる。 「――カグツチィ!」 そう、それが割り来なかったら。 「なっ?!」 同じ性質の閃光が、真正面から黒い閃光へと激突し、膨大な熱量をぶちまけながら相殺される。 暗く沈んだ目を動かし、MAIが見たのは――白き龍と共に羽ばたく少女と少年。 「NAんで? なんで、なんで、なんでょォオオオオオオオ!!!?」 それを見た瞬間、MAIの意識から二機の姿は消し飛んだ。 見えるのは認められない現実。 決して許せない光景。 「なんで、あなたが、そこに、イルノョオオオオオオ!!!」 紅き焔の舞姫と黒き炎の舞姫の舞踏が三度目にして、最後の始まりを見せる。 コクピットの中、脂汗を浮かべて死の感覚を味わったマサキがゆっくりと息を付く。 「助かったのか?」 モニターに見えるのはかつて己を助け、そして自分が庇った白き龍と黒い龍の激闘。 一時はやられると覚悟したが、なんとか危機を脱したらしい。 『油断はまだ禁物ですよ、マサキ』 「分かってる!」 シュウに言われるまでもなく、マサキは背筋を伸ばした。 「クロ、シロ! 計算状況はどうだ?!」 「――そろそろOKニャ!」 「後は私たちがしくじらない限り、大丈夫!!」 「わかった!」 その返事に激痛の走る拳を動かして、操縦桿を握り直す。 『準備は出来ましたか?』 「ああ」 『では、こちらも始めましょう。データを寄越しなさい』 「了解ニャ」 ポチッとクロの肉きゅうがコンソールを叩く。 そして、マサキにはサイバスターとグランゾンの咆哮を聞いたような気がした。 『なるほど――“そこ”ですか』 上に浮かぶグランゾンから膨大な圧力が発生する。 多大なカグツチの火球を受けて損傷しているはずなのに、その動きには一切の威厳の陰りが感じられない。 『グラビトンカノン――解除』 歪められた重力によって狂っていた光景が戻り始める。 だがしかし、たった一点だけ――捻られた空間があった。 『ブラックホール・クラスター』 蒼き破壊神のクリスタルが輝き、その両手が胸部の前に掲げられる。 胸部装甲が開かれ、その眼前より漆黒の球体が生まれ始める。 それは全てを粉砕し、呑み込み、消滅させる星々の終焉の姿。 『発射!』 重力場すら狂わせて、漆黒の球体がねじれた空間に激突し――膨大な破砕音を鳴り響かせた。 それはこの周囲、戦場全てを埋め尽くす膨大な破砕音。 世界の悲鳴であり、偽りの空間の絶叫。 それを強引にひび割れさせて。 『空間破砕を確認! 連結次元のゆがみが生じますよ!!!』 「おぉおおおおおおお!」 白き翼が焔の中より立ち上がる。 失った翼を吹き上げるプラーナで再構築し、抜き放ったディスカッターを大地に突き刺した。 「俺の声に答えてくれ――サイバスターぁあああああああ!」 そして、膨大な破砕音すらも呑み込む。 ――“世界を渡る風が産まれる”。 何故彼女は狂ったのだろうか? 何故アイツはあんなにも苦しそうなのか。 そして、それに俺は―― 「きえてよぉ!!!」 「カグツチ!」 目の前で二つの火球が激突する。 直視すれば、網膜が焼けそうなほど熱い焔。 それは見慣れたものであるけれど、それらがぶつかる光景なんて想像すらしてなかった。 「なンで、貴方はアイツを助けるの!?」 「私は!」 「なんども、なんども言ったのににぃいいい!!!」 「祐一を信じる!!」 二人の鴇羽 舞衣がぶつかる。 二体のカグツチが激突する。 ほんの少し前まで想像もしなかった現実、光景、悪夢。 それに俺はただ見ているだけで―― ――破砕音が轟いた。 「っ!?」 戦闘中でさえも、思わず振り返ってしまうような巨大な音。 それに振り返った先には、あの白いロボットと見たことのない蒼いロボットの姿。 そして、剣を突き立てた白いロボットから“風”が産まれていた。 「っ!? あれは!?」 「な、なに!?」 白いロボットの両手が大きく開かれる。 その全身が輝き、背中の折れたはずの翼から白く輝く翼が放たれ、その周囲に光の球が生まれていく。 『開け! 異界への扉ぁあああ!』 聞き覚えのある咆哮と共に白いロボットから放たれた光球が飛び出した。 それは空の一点で、あるいは地上の公園で、あるいは高層ビルの真ん中で、無数の場所に 光の球が飛び込んで――閃光が迸った。 輝ける白。 太陽みたいな真っ白。 そして、その光の先には――“奇妙な風景の空間があった” 『ゲートを開いた! 長くは持たねえ!! 城へと行きたい奴は飛び込めええええ!』 その絶叫が証明するように、白いロボットの翼が弱々しく点滅し、同時に蒼いロボットもまた全身 から悲鳴じみた軋みを上げている。 「城ヘノゲート? させナイ!!」 その瞬間、MAIが鴇羽を蹴り飛ばした。 「きゃああああ!」 「鴇羽!!」 落下する鴇羽を負って、カグツチが疾る。 そして、それにしがみ付く俺は唇を噛み締める。 「消えなさい! ゲートなど開かせない!!」 黒いカグツチの前に羽ばたくMAIが叫びを上げる。 ――俺はそれに悲鳴を感じた。 「ゆ、祐一?」 手を伸ばし、掴み取った鴇羽が声を洩らす。 ――俺は目の前の鴇羽とあいつの差がわからなかった。 「鴇羽」 俺は噛み締める。 己の情けなさを、ふがいなさを。 ――だから、俺は。 「俺を支えてくれ」 「え?」 俺はカグツチから飛び降りて、鴇羽の胸へと飛び込む。 「祐一?!」 「悪い。けど……これしかないんだよな――カグツチ!」 俺は手を伸ばす。 俺と鴇羽のチャイルドであるカグツチの“剣”に向けて。 ――パパ。ボクを使うんだね? 「ああ」 ――あの人はママなのかもしれないよ? 「ああ」 ――だけど、ボクを振るうの? 「ああ、分かってる」 だけど、俺は見捨てられないんだ。 悲しい顔で、悲鳴を上げる鴇羽に似た少女を。 独善なのかもしれない。 偽善なのかもしれない。 けれど、あれ以上・・・・・・あの少女を放置出来ない。 だから。 「俺はお前を振るう。――来い、カグツチ!!」 手を伸ばす。 傷を負った腕を、過去を忘れるなと囁く手を。 そして、その手に―― 一振りの剣があった。 白亜の巨体は焔に消えて、全てが剣に納める。 「祐一・・・・・・」 「悪い。けど、俺には――あいつが泣いているように見えたんだ」 「ううん。あなたは信じるままにいけばいいよ。私は応援してる」 背中を抱きしめる鴇羽の感触が心強かった。 罪を犯す俺を支えるような彼女の温かさに、俺は柄を握り直す。 「鴇羽、アイツの前に運んでくれ」 「うんっ!」 鴇羽に運ばれ、俺は空を駆けた。 燃え上がる黒い炎のMAIの前に、飛び出す。 「アナタは! 何をしに来たァアアア! 私の邪魔をする気ね?! マタ、マタ、マタ! マタァアアア」 「違うさ」 燃え上がる焔を溜め込んだ、黒のカグツチが見える。 燃え上がる熱がどこまでも体を、喉を、目を灼く。 正直怖い。 だけど。 「俺はお前を救いに来たんだ」 「な、ニヲ!?」 「もう泣くのは止めろ。悲しすぎるんだよ、お前は」 「うるさいうるさいUルサイ!!! カグツチィ!」 閃光が燃え上がる。 光が目の前を覆う。 そして、それに俺は―― 「バッカ」 手を振り上げる。 剣を振り翳す。 刃を走らせて―― 「やろうぉおおおおおお!!」 全てを、両断した。 燃え上がる焔も。 夜闇の空も。 剣閃の軌跡にいた全てを――両断した。 そう、目の前に浮かぶ少女の体までも。 「ァアアアアアアアアア!」 救われることを祈って、全てを光へと変えた。 “ありがとう” そして、燃え上がる剣閃の中で、聞こえたその声は幻聴だったのだろうか。 ――鴇羽 舞衣 & 楯 祐一 WIN! 「やれやれ、上手くいったようですね」 モニターに浮かぶ幾つもの光点。 それは地上で戦っていた異能者たちの反応が消えていく。 グランゾンが操作し、サイバスターがこじ開けた式神の城へと繋がるゲートへと 飛び込んでいったのであろう。 全てはサイバスターの力でもある。 完全解放すれば、完全な未来予知すら可能とするラプラスコンピューター・デモンタイプ。 その演算能力を用いて、彼らは任意に歪ませた空間の中で、城の内部。 正確には”城内部と呼ばれる異空間”への干渉点を探し当てた。 ワームホールを作り出すブラックホール。 超新星のエネルギーを秘めたコスモノヴァ。 常識外れの力。 彼らにしか成し得ない空間干渉。 しかし、その代償は大きく、もはや二機はしばらく動けそうになかった。 「さて、あとは見守りますか」 シュウは静かに嗤う。 己の役割はここにない。 あとは選ばれし者たちが、彼を利用しようとした者達を打ち砕くであろう。 そう、そのための布石。 「さあ、世界を救う物語の最終幕の始まりですよ」 ――サイバスター&グランゾン ゲートOPEN 地上班組 式神の城侵入可能 4-524-525 laststage-1 はじまり ばんっ! 最後の扉が蹴り開かれた。 式神の城の最奥部。片側の扉を一つずつ蹴り壊した少年達は、いくつもの人々の協力を得て、そこにたどり着いていた。 その間に広がるは、ただの闇。 光源はなく何も見えず、普通の人間ならば本能的に恐怖を抱くだろう真の闇。 しかし、その背に光を背負うバカと闇と対峙し続けたバカにはその闇は脅威足りえない。 闇の中へと躊躇なく踏み進み―――ごん、と光太郎が何かに衝突した。 「あだっ」 「どうした!?」 柊が振り返ると、そこには頭を押さえている光太郎がいた。 彼は不思議そうに何もない空間に向けて軽く拳を振りぬき。こん、と軽い音を立てて拳は見えない何かにぶつかって止まった。 光太郎よりも異常現象には慣れている柊が、その異常を看破する。 「結界か……どーやら俺達が一緒にいると目障りな奴がいるらしいぜ?」 『えぇ、その通り。僕たちの喧嘩には、あなたがいると困るんです』 声が響いた。それと同時、光太郎の姿が柊の視界の中からかき消える。 「なっ……玖珂っ!?」 『ですから、光太郎はいただいていきます』 「勝手なこと言ってんじゃねぇっ!誰だてめぇ、何しやがったっ!?」 『おや。蝿の女王からは聞いていましたが、本当に頭が悪いですね柊蓮司』 「またベルかっ!?っつーかボスは人のことフルネームで呼んだあげく頭悪いって言わなきゃならねぇ法則でもあんのかっ!?」 『いえいえ素直な感想です。 ―――まぁ、ここまで光太郎を無事に届けてくれたお礼くらいはしましょう。 僕の名前は<世界の秩序(ワールドオーダー)>、あなた方が結界でがんじがらめにしている世界の、意思そのものですよ』 声は朗々と響く。暗闇に、どこまでも。 柊はその声に底知れなさを感じながら、似たような声の感覚を思い出す。 「まーた神様の類か?ぽんぽんぽんぽん人間に絶望してんじゃねーよ」 『少し違いますかね。神というのはこの世界を作り出したもの、僕は神によって作り出され、人間の作った結界で雁字搦めにされている哀れな世界そのものです。 あなたにもわかりやすく言ってあげるのなら、起こった事態に対処するのが世界結界と神の使徒。先に手を打ち『勇者』を作り出しておくのがこの僕、ということです』 <世界の秩序>のその言葉に、春先の事件を思い出す。 世界によってあらかじめ生み出された『勇者』。 その存在がなければこの世界はとっくになくなっていただろうが、その宿命を背負わせたのが声の相手だというのなら少しばかり恨み言を言いたくもなる。 しかし今はそれどころではない。 「それで?玖珂と俺を離したのは俺に邪魔されたくないからって言ってたっけか。俺もずいぶんと高く評価されたもんだなオイ」 『もちろんですよ、悲劇を捻じ曲げる者。貴方の持つ剣は僕にとっても毒ですからね。あまり触れたくはない』 「誉められても嬉しかないが、一応はありがとよ。 それで―――こんな風に隔離されて、俺が黙ってるとでも思ってんのか?」 瞳に剣呑な光を宿し、柊は魔剣を握る手に力を込める。 しかし、それに答える声はどこまでも涼やかだった。 『まさか。貴方がどこまでもしぶとくて、光太郎並の直情家なのは知っていますよ』 その声とともに、背後の闇が揺れた。 柊は自身の勘に従い魔剣を背後に向けて振り抜き、背後から現れたエネルギー弾を辛うじて弾いた。 「ぐぅっ!?」 これまでの敵が放ってきたエネルギー弾などとは比べ物にならない速度と重みの一撃は、不完全な体勢からの迎撃では衝撃を殺しきれず、2・3歩たたらを踏む。 気づけば、今まで何もない暗闇だった場所に、12の光輝く水晶が漂い、薄暗い明かりが灯っている。 明かりが照らし出すのは、巨大な異形の蜘蛛だった。 柊自身も巨大な生物と戦ってきているが、その中でもかなり大きめな部類に入る。蜘蛛は、獲物を見つけた歓喜の声を上げた。 『これは、以前光太郎が倒した古き神の複製体。 まぁ、当然本物ほどの力はないのですが、これでもたった一人で倒すには骨だと思いますよ?』 しかし、柊にその声は届いていなかった。 彼の視線の先にあるのは、空を舞い踊る12の水晶の中心―――光の筋によって空中に固定されている赤い水晶だ。 呆然としたように、呟く。 「―――くれ、は?」 その水晶の中に眠るのは、まごうことなき彼の幼馴染。 あぁ、とわざとらしくてかんに障る笑い声が響く。 『もっとも大切な部分である魂の部分だけは復元できませんでしたからね。 適当にでっちあげて、足りない部分を補うためにちょうどいいモノを拾ってきたんです。 ちょうどいいから教えてあげましょう。蜘蛛を倒すのなら、あの水晶を砕くのが一番早いですよ? あの水晶の中には蜘蛛への力の供給装置があります。水晶だけを砕くことができればその中の装置の一部も取り出すことができるでしょうね。 ですから、あの水晶を狙えば一撃で止まるでしょうが―――そんなことができるほど、<世界>の力は甘くないですよ?』 声が終わると同時、暗闇に慣れた目を灼く光の帯が四方八方に放たれる。 直撃することはなかったが、その余波だけで吹き飛ばされそうになる柊。 その彼の姿を見てか、くすくすと笑う声がする。 柊には珍しく、なんの感情もこもらない声で語りかける声に一つだけ問うた。 「―――聞かせろ。さっき、あいつ拾ったっつったよな」 『えぇ、それがなにか?』 「あいつを、あんなふうにしたのはてめぇか?」 『彼女を気絶させてあそこに封じこめたのは僕ですよ?』 そうか、と静かな声が暗闇の広大な空間が何故か響き渡った。 「あいつ助けた後、絶対ぇぶちのめしに行ってやるから覚悟しやがれ」 『怖い怖い。期待しないで待っていますよ、もっとも、世界の全てを敵にまわして貴方が生き残れるとは思えないですがね』 声はそれきり響くことはなく、気配が薄れていくのがわかる。 柊は、いったん頭の内から声の主のことを叩き出して目の前の敵へと集中する。 小さく口の中で一言だけ呟いてから、突貫を開始した。 4-541 laststage-2 ねがい そこは玉座の間。 王の座るべき場所にあるのは、白を基調とする服を身に纏った青年だった。 玉座の青年の前に立つのは、一人の少年。その瞳に怒りをたぎらせ、その表情に少しの痛みを抱える少年。 少年は、目の前の青年に問う。 「……これは、本当にあんたがやってることなのかよ」 「あぁ、そうだよ」 「城をここに出したのも」 「あぁ」 「城を今落としてるのも」 「そうだね」 「東京にいる、いや世界中の人達を危険にさらしてるのも!」 「その通りだよ」 「今―――たくさんの人間に迷惑かけてるのはあんたなのかよっ!?」 その、否定してほしいと言わんばかりの痛々しい声に。 しかし相手はにこやかな笑顔を崩さぬまま答えた。 「その通りだよ、コウ」 「なんでだっ!なんでこんなことをあんたがしなくちゃならないんだよ、兄貴っ!」 笑みを絶やさない青年の名は玖珂晋太郎。 世界の秩序。城の主。そして、ある少年の兄。 苦しげに、しかし怒りを絶やさぬ眼で問う少年の名は玖珂光太郎。 人類の決戦存在。青にして青ならぬ者。そして、ある青年の弟。 ともに名前に光をたたえる名を持った、第一子の名をつけられし存在。 光太郎のその問いかけに、晋太郎はやはり笑顔を絶やさぬままに答える。 「覚えているかい、コウ。 僕は、子供のころ体が弱かった。ロイと一緒に遊んでいるお前を見て、その代わり勉強を教えたりしたこと」 「そんなことは聞いてねぇっ!」 睨む目には怒りがあった。純粋な怒りではなく、痛みとない交ぜになった温度の低い炎。 けれどそれさえも楽しそうに、晋太郎は告げる。 「少し回りくどかったかな―――つまりね、コウ。僕の望みはただ一つなんだ。 城をここに出したのも。 城を今落としているのも。 世界中の人達を危険にさらしているのも。 今この瞬間、数多くの人間に災厄をもたらしているのも。 ―――お前と、盛大な兄弟喧嘩をするための下準備にすぎないんだ」 笑顔を絶やさぬままに晋太郎は―――いや、今や<世界の秩序>と化した者は、そう告げた。 光太郎は一瞬だけ目を伏せる。 晋太郎からはその表情をうかがい知ることはできないが、<世界>たる彼にはどんな表情をしているか手に取るようにわかった。 そして、<世界の秩序>は始まりを告げる。 「さぁ。そろそろ始めよう、コウ。 この世界の趨勢を決める派手で滑稽、壮大にして単純な―――たった一度の兄弟喧嘩を」 宣誓に、少年は顔を上げる。 その表情にあるのは怒り。熱は落とさず、ただ純粋に、たった一点前だけを見据えて。 決別と決意の言葉を、<世界の秩序>にして世界の敵と成り果てた者に告げる。 「―――待たせたな、悪党。 俺の名前は玖珂光太郎!悪をぶっ飛ばす少年探偵! お前にはたくさんの人間が迷惑してんだ!俺がこの手で―――全力でぶっ飛ばすっ!」 それに応えるのは当然、世界を自らの意思の下動かす「悪」。 「よく言った、世界の一部。 僕の名前は玖珂晋太郎!すべてをぶっ飛ばす<世界の秩序(ワールド・オーダー)>! さぁ始めよう!終わりの始まりだ!」 言葉と共に、少年は己が式神とともに青き光を拳に纏って走り出し――― ―――<世界の秩序>は、世界から吸い上げたエネルギーを、自身の視界すべてを埋め尽くす弾幕へと変えた。 4-548-550 博麗の巫女・合流 「やっと追いつけた。あなたは話に聞く壬生谷の巫女の結城小夜さんでしょ? 私は博麗神社の巫女。博麗霊夢よ。 神主さんから聞いたわ、よろしくね」 「壬生谷を知っている人間? あなたは……博麗の巫女? 聞いたことがあるような」 「ええ、たぶんその博麗の巫女。そしてそちらの人は…確か紅き月の巫女って呼ばれているんでしょ。よろしくね」 「そう、あなたが博麗霊夢。私は緋室灯――あかりん、って呼んでくれていい」 巫女装束を纏う、少女二人。名を結城小夜、そして博麗霊夢という。互いに戦いを潜り抜けてきたためか、傷つき疲労 している様子が見て取れる。 そして壬生谷の巫女と行動を共にしてきた強化人間の少女――緋室灯。輝明学園の制服を纏った彼女もまた紅き月の巫 女の転生体でもある。強化人間として育てられた彼女は妙な茶目っ気を見せて自分の名を告げる。ここに三人の巫女が 集った。自己紹介もそこそこに、三人はこくりと頷く。ここはねじれた城の中。博麗の巫女たる少女もまた二人の巫女 と同じように戦場に赴く者としての心構えはできている。即ち、自分がなすべき事は何かということを。 彼女たちは正確には知るよしもなかったが、サイバスター、そしてグランゾンのパイロット達が血路を開いた為、博麗 の巫女たる少女もこの二人に追いつくことができたのだ。そしていち早く進んでいた巫女二人と合流できたワケである。 「挨拶はこのくらいにして――っと。壬生谷の巫女さん、ここは一気に片づけるわよ」 「はい、行きます!」 「……来た、私は援護する。なるべく当てないようにするから」 城内最深部。城主たる玖珂晋太郎までの道程も後僅かといったところだが、時間稼ぎか敵の数も多い。無論そんなもの につきあっているわけには行かない。 ならばこそ、出し惜しみをしていられるわけもなかった。まさに引くも地獄進むも地獄といった感だ。時間切れは東京 ――ひいてはこの世界の破滅を意味するのであるから。 「くっ、キリがないわね。ここは――――ええと、あかりんだっけ? ちょっと時間をっ!」 「ええ、緋室さん。お願いしますっ!」 「了解。ガンナーズ・ブルーム」 まさに百鬼夜行さながらの城内。最深部までは通さぬと行った感があるあしきゆめの群れ。三人の巫女は足並みを乱さず 自分の役割を果たしている。 灯の持つ箒――ガンナーズ・ブルームは休むことなく弾を射出し敵を砕く。さすが少女とはいえ歴戦の戦士でもある彼女 たちは即座に連携を組むことが可能であったのだ。 「これならっ行けるはず! 壬生谷の巫女さん今よ――――封魔ぁぁぁ――――」 「わかりました、博麗の巫女――――光鴉ぁぁぁ――――」 『――――――――陣ッッッッ』 ”GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!” 二人の巫女が呪符を取り出し気合いを込めた声を張り上げる。と、同時に猛烈な閃光と爆砕が起こり、周囲一面をなぎ払 う。その爆発に巻き込まれ、あしきゆめ達は怨嗟の声を上げながら消滅していった。 「……この先。たぶん柊蓮司と玖珂光太郎もそこにいる」 「ええ、行きましょうか」 「もちろんっ!」 彼女達は傷も消耗も癒す間もなく先を急ぐ。これから先の悲劇を知ることもないまま―――― 緋室灯――彼女の仲間たる赤羽くれはが変わり果てた姿で待ちかまえていることなど知るよしもなく。 いよいよねじれた城。その最深部へと向かう。このふざけた世界の神を打破する為に。 博麗霊夢―――城内に到着し緋室灯・結城小夜と合流。ひとまずは柊蓮司の元へ向かう ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/2chmgo2pc/pages/210.html
服装まとめwikiは移転しますた
https://w.atwiki.jp/nightwizard/
このサイトは、2007年10月に放映されたTVアニメ「 ナイトウィザード The ANIMATION 」の情報、およびPS2版ゲーム「 ナイトウィザード The VIDEO GAME ~Denial of the World~ 」の攻略、その他関連作品のまとめWikiです。 アニメからのファンが作品をより深く理解したり、原作からのファンがちょっとした設定を確認したりするのが主な目的です。 Wikipediaなどとはまた違った、ナイトウィザード用語辞典を目指しましょう。 まずは「はじめに」のページをご覧下さい。簡単なナイトウィザードの紹介があります。 PS2版ゲームについての情報は、Denial of the Worldへどうぞ。 エイプリルフール特別コンテンツについては管理人のページに。 注意事項 ナイトウィザードは有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチの著作物です。 このサイトは、F.E.A.R.社をはじめとした作品の権利者とは一切関係がありません。 For Foreigners Japanese fonts required to view Night Wizard! The Animation Wiki . See article ForForeigners. 放映日 キッズステーション第9話以降のみ2008年、他は全て2007年中の放映。 再放送については、情報があれば記述してください。 なお、キッズステーションでは2008年3月より再放送開始。 また、バンダイチャンネルでは2008/3/28日より、J COM オンデマンドならびにiムービーゲイトでは、2008/4/1よりネット配信が開始される 放送局 時間(*1) 各エピソード放映日 #01 #02 #03 #04 #05 #06 #07 #08 #09 #10 #11 #12 #13 TOKYO MX 火 26 00 10/02 10/09 10/16 10/23 10/30 11/06 11/13 11/20 11/27 12/04 12/11 12/18 12/25 チバテレビ 火 26 00 10/02 10/09 10/16 10/23 10/30 11/06 11/13 11/20 11/27 12/04 12/11 12/18 12/25 テレビ愛知 火 26 58 10/02 10/09 10/16 10/23 10/30 11/06 11/13 11/20 11/27 12/04 12/11 12/18 12/25 テレビ大阪 水 26 55 10/03 10/10 10/17 10/24 10/31 11/07 11/14 11/21 11/28 12/05 12/12 12/19 12/26 テレビ埼玉 土 26 00 10/06 10/13 10/20 10/27 11/03 11/10 11/17 11/24 12/01 12/08 12/15 12/22 12/29 キッズステーション 月 24 00 11/05 11/12 11/19 11/26 12/03 12/10 12/17 12/24 01/07 01/14 01/21 01/28 02/04 エピソードガイド 詳細は各エピソードのページにて。 話数 エピソードタイトル アイキャッチ 特記事項 第01話 月匣 紅き月、碧き瞳 柊蓮司(*2) 地上波とキッズではOP映像が異なる 第02話 下がる男 世界は狙われている アンゼロット 一部地域で放送時間が繰り下がった 第03話 二つの炎 堕ちてメガラニカ 緋室灯 第04話 キリヒト 月面の出逢い 赤羽くれは(*3) 第05話 孤島 二人の魔剣使い マユリ タイトルがプレス用から変更。 第06話 悪夢(ナイトメア) エリス目覚めず ナイトメア 第07話 小さな絆 エリスの贈り物 志宝エリス OP映像がマイナーチェンジ。 第08話 時代(とき)を翔ける 少女の塔 現場監督 第09話 パンドラの匣 ベル対アンゼロット ベル&リオン(*4) 第10話 破壊神 カルネアデスの板 アイン・ソフ・オウル(*5) タイトルがプレス用から変更。 第11話 記憶の欠片(かけら) 幻想に、舞う なし エピタイトルの演出が異なる 第12話 さよなら なし エピタイトルがOP前にある 第13話 ハッピー・バースデイ なし ED映像なし。本編映像にテロップが流れる。 登場人物 登場人物のページを参照。 キャスト&スタッフ キャスト&スタッフのページを参照。 記事の追加・編集について Wikiを利用していますので、誰でも自由に記事を追加・編集できます。 説明しておいた方がいいこと、逆に冗長だと思ったこと等があればどんどん編集してください。 記事の内容に関するガイドラインは編集方針を参照。 また、ネタはあるけどどのように書けばいいか分からないという方は未整理情報にでも。 コメント 編集報告、管理人への連絡などにご利用ください。 コメントの過去ログもあります。 クロスSSスレのまとめサイト「NW!クロスSS保管庫」を作ったので、そちらもよろしくお願いします。 -- 管理人 (2007-12-16 12 12 09) DVDの初回特典で公開されたデータの扱いで注意すべきこと(ネタバレの配慮等)はありますか? -- 名無しさん (2007-12-22 23 50 56) 詳細はぼかしつつ……っていうのがいいんじゃないかなと。超☆独断ですが。 -- 管理人 (2007-12-30 16 42 30) AAを見つけたので勝手ながら掲載しときました -- 名無しさん (2008-01-19 06 42 57) アニメ版 第六話で柊が下がっているのは身長ではなく年齢だったはず。 -- 旅人 (2008-01-25 15 36 28) ゲーム版に関する記述はどのあたりまでOKでしょうか -- 名無しさん (2008-02-29 19 50 08) (↑の続き)またゲーム攻略ページなどは作ってみるべきですかね? -- 名無しさん (2008-02-29 19 53 32) どーしましょ。考えておきます。 -- 管理人 (2008-03-01 03 43 18) 暫定ページを作っておきました。情報がまとまり次第、整理する方向で。 -- 管理人 (2008-03-02 10 09 33) PS2版の背景キャラは、神田和泉ではなくコミック版の竜之介の様です。連載雑誌のPS+に情報がありました。 -- 名無しさん (2008-03-20 23 59 28) エイプリルフール終了。Wikiのデザインとタイトル、TOPページの3箇所のみですが遊んでみました。なお、この時のスクリーンショットは管理人のページに置いてあります。 -- 管理人 (2008-04-02 04 26 08) アニメ未登場のキャスト、古谷さんの下に池田秀一さんもあるべきかと。 -- 粉砕する者。 (2008-04-23 10 24 48) どうやら(管理人権限で更新せずに)放置してると、広告が上部に来るようになったそうです。保守、保守っと。 -- 管理人 (2008-07-01 18 47 58) 少し前から脚注機能が上手く働かない現象が起きてましたが、@Wikiに不具合報告したら直ってました。バグだったようです。 -- 管理人 (2008-07-31 16 20 36) 2chAAスレにあった未収録のAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-02 18 51 00) コメント連投スミマセン。AA収録の際、「アニメ未登場キャラクター」が容量を超えたので(魔王編)と(ウィザード編)に分けました。 -- 名無しさん (2008-09-02 19 52 36) AA数点を掲載いたしました。 -- 名無しさん (2008-09-10 00 33 30) 勝手ながら柊姉などのAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-22 04 02 07) 2chスレの藤原竜之介のAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-27 22 53 22) quot狩人”レライキア・バルのAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-10-15 22 18 38) 2ch各スレからAAを掲載いたしました。その際に容量オーバーとなったエリスのページを勝手ながらその1とその2に分けさせていただきました。 -- 名無しさん (2009-02-02 02 12 13) ネタ/アスキーアート以下の記事名やリンクなどを少し整理しました -- 管理人 (2009-02-02 08 05 55) 2009年のエイプリルフールも無事終了。管理人のページにスクリーンショットを置いときますね。 -- 管理人 (2009-04-01 22 51 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/66.html
4-149-157 IN・最前線(後半、4-151から) それは風。 強く、激しく、荒々しく――清々しき風。 悪夢たちの夜を駆け抜ける一陣の風があった。 「ちっ! いつから地上はこんな混沌状態になったんだ?!」 夜を照らし出す太陽。 暗黒の中で輝く純白。 純白の翼と白亜の装甲を纏った巨人が、剣を手に舞っていた。 「マサキ! そんニャこと言っている場合じゃニャいのだ!」 「後ろ後ろぉ!」 「ちっ!!」 背後から迫る、巨人を超える巨体の異形。 乱杭歯の顎を開き、その口内から放たれるレーザーの如き閃光を白亜の巨人は翼をはためかし、 残像が残るような速度で躱す。 躱されたと異形が理解するよりも早く、回り込んだ白亜の巨人が振り下ろした剣がそれを両断 していた。 「まったく、ラ・ギアスでもこんなに魔物が出現したことはねえぞ?!」 白亜の巨人――すなわち【風の魔装機神 サイバスター】の操者、マサキ・アンドーは吐き捨てる ように呟いた。 「ここは本当に地上なのか?」 マサキの呟きに、コクピットの脇でマサキにしがみ付いていた黒猫と白猫が呟く。 「……しかも、ニャんかチラホラ生身で戦っている人が見えるニャんだけど」 「けど、座標は確かに日本の東京ニャ」 「なのに、こんな事態だってのに連邦の連中が出てこないってのは――どういうことだっ!」 翼を瞬き、装甲の一部を開く。 そこから射出されたカトリックミサイルが、小型の異形たちを薙ぎ払う。 「まさか、地上への転移の時に起こった異常エネルギーの所為?!」 白猫の言葉に、たらーりと一筋の汗が操縦桿を握るマサキの額に浮かぶ。 「嘘だろ……まさか、異世界から異世界ってことは――」 マサキがそう呟いた瞬間だった。 「全力全開! ディバインン・バスターァアアアア!!」 モニターの端、マサキが意図的に視線を外していた位置に“飛んでいる白い衣の少女”が持つ 杖から、HTBキャノンに匹敵するビーム砲キャノンが飛び出し、異形たちの群れを消滅させた。 「……OK。認めよう、ここは俺の知っている地上じゃない」 「子供が、ニャまみでビームを撃つニャなんて異世界以外にありえないニャ」 「うわー、これぞ本当に魔砲少女って奴ニャんかニャ?」 人型ロボットを操縦し、異世界で暮らす元地上人の割には常識的な反応を返すマサキ。 ――“ ” その瞬間だった。 「ッサイフォス?!」 魔装機神に宿る風の高位精霊。 サイフォスが語りかけてくる感覚に、マサキは瞬時に反応し、空を見上げた。 そこに映るのは異常事態の中心と思しきねじれた城。 サイバスターに搭載された魔術結界が悲鳴を上げ、精霊レーダーのメーターを振り切るほど 膨大な魔力を放つ歪みの根本。 その正門に――見覚えのある異形が見えた。 「あれはっ!!」 「ヴォ、ヴォルクルスニャ!!?」 ラ・ギアスを護る宿命を帯びた魔装機神。 その大敵とも呼べる邪神、その分身体。 その姿にサイバスターのエネルギー源であるフルカネルリ式永久機関が、マサキの感情に呼応 して駆動音を上げる。 プラーナコンバーターが加熱し、処理し切れないプラーナの輝きがサイバスターの全身から漏れ でていく――その時だった。 「へえ」 今にも飛び出しかけていたサイバスター。 その中で、マサキは目を見開き、笑みを浮かべていた。 「やるじゃねえか、あいつ等」 人の身では敵うはずもない邪神。 人知を超え、あらゆる魔と闇を内包せし破壊神。 破壊の権化とも言える異形に、たった二人の少年が戦っていた。 「ぐっ!?」 人間など微塵と砕かんばかりの巨大な鉤爪。 その一撃を辛うじて魔剣で受け止めるも――そこは足場無き空。 大質量の一撃に叩き落され、血反吐を吐きながら柊は落下していく。 つまり高度が下がった。 「柊!?」 空間すら歪ませるカギヅメの軌跡から逃れながら、呪符を放っていた光太郎が思わず叫ぶ。 【ルゥウオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!!】 「まずっ!?」 その刹那、僅かに注意を逸らした光太郎に、破壊神から放たれた歌声が直撃した。 あらゆる物質を破砕し、無へと返す衝撃破。 ただの咆哮ですら高密度の魔術術式となって、顕現した破壊魔術。 「がっ!?」 その直撃に、防御用の呪符と高校中退後も着続けている制服の欠片を撒き散らしながら、光太郎 もまた吹き飛ぶ。 今まで突き進んでいた二人の少年が、今ここに足を止める…… 「来てくれ」 本当に? 「おわぁああああああ」 そんな――わけがない! 「絢爛舞踏ザサエさん!!」 光太郎の咆哮。 それと共に彼の背中に柔らかい感触がした。 誰かが抱きとめるような感触。 そして、“姿は見えないけれど”、感じ慣れた温かい気配。 「サンキューな、ザサエさん」 (コクン) 声も聞こえない。 けれども、光太郎には“彼女”が微笑んだのを感じた。 「お? 光太郎、誰だこの人?」 そして、その横でザサエさんに回収されたのであろう柊が、首根っこで宙釣りになりながら光太郎 に問いかけた。 「? 柊、お前見えるのか、ザサエさんの姿」 「おー。一応ウィザードだしな、あとザサエさんってどこの国民番組の母親なんだよ!」 「あー、彼女はザサエさん。俺の相棒な」 「しかも無視かよ?!」 何故かクスクスと笑っているような気配を感じながら、光太郎は上を見上げ直す。 そこには翼をはためかせ、血管の浮かんだ瞳で睨み付けてくる邪神の姿。 「よっしゃっ! 第二ラウンドだ!!」 「……アイツを突破しねえと先に進めねえしな。しゃーねえ、行くか!」 学生服の中身から無数の呪符を掴み取り、 血を流す手で魔剣の柄を握り直す。 「作戦は?」 「決まってるだろ! 真っ向からぶっ飛ばす!!!」 ザサエさんの力を借り、光太郎が上空に向かって飛び出した。 飛翔能力。 式神であるザサエさんの力を借りて、可能とした光太郎の力の一つ。 「だろうな。そういうと思ったぜ」 ザサエさんから手を離され、落下していく柊の体。 しかし、数秒とせずに落下は止まり、それどころか上昇を開始する。 ――常識を遮断せし異相結界・月衣。 マジカル・ウォー以来急激に力を増し、非常識の力を行使するウィザードたちが身に付けた新た なる常識の突破能力。 そして、柊は“重力”という常識を遮断する。 空が飛べない? そんな常識は無い。 空が蹴れない? そんな常識は通じない。 何故ならば、彼は“常識の通じない夜闇の魔法使いなのだから”。 「“風の如く 舞い踊れ” ――エア・ダンス!!」 “空を蹴り”、己の魔力で発生させた上昇気流に乗って柊が加速する。 瞬く間に光太郎と並走し、二人は同時に顔を見合わせ――薄く微笑んだ。 「右!」 そして。 「左ぃ!」 互いに繰り出した蹴り足で、二人が左右に飛び込む。 たった今の瞬間、自分たちが居た場所をすり抜けたカギヅメを見ながら、光太郎は叫んだ。 「絢爛舞踏ザサエさん、GO!」 ( !) 光太郎の声に気配が応じ、次の瞬間邪神の腕から青黒い血が噴き出した。 ザサエさんの攻撃だ。 畳み掛ける! 「いっけえ!!」 呪符を手に取り、願いを篭めて、邪神に向かって投げ放つ。 淡い輝きに満ちた無数の呪符は夜闇を切り裂く流星の如き勢いで、破壊神に向かって飛来し。 『ルォオ――』 「“届け 風の果てまでも” ――エア・ブレード!!」 衝撃破で迎撃しようとした邪神の咆哮よりも早く、鋭き風の刃の祝福を帯びた呪符が邪神の肉体 へと突き刺さり――爆散。 『ガァアアアア!!?』 高性能爆薬にも匹敵する爆風と輝きに、邪神が悲鳴を上げる。 「“轟け 爆炎の如く” ――エンチャント・フレイム!!」 そして、その瞬間紅い閃光と紅蓮の焔を纏った斬撃が、邪神の腹部を切り裂いた。 刀身にして一メートル弱。 高層ビルにも匹敵する邪神にとってはかすり傷にも等しい小さな刀身。 されども、その斬撃は深々と血肉を切り裂き、焼き尽くした。 『GI,GAXAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!』 「決めるぞ、光太郎!」 「おう!!」 絶叫を上げる邪神。 それに向かって、柊は己の手を魔剣に添える。 光太郎は呪符を握り締め、己の手を掲げた。 「舞い上がれ」 烈風を帯びる。 「喰らい尽くせ」 焔を纏う。 「解放しろ――」 ポタリと柊の添えた手から零れる血に、魔剣の刀身が唸りを上げた。 それはさながら嬌声を上げる処女の乙女の如き咆哮。 刀身に刻まれたルーン文字が閃光を発し、同時に刀身の一部が変形して、普段は隠されている 宝玉が露出する。 「俺の魔剣!!」 ――魔器解放―― 「俺は進まないといけないんだ」 光が集う。 「だから」 拳が輝く。 「俺は――」 もっと。 「お前を」 もっともっともっと。 「ぶっ飛ばす!」 光輝を発す! ――少年探偵の一撃―― 走る。 疾る。 奔る。 世界に選ばれた二人の少年が、魔剣を、拳を振り翳して突き進む。 「「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」 それは純粋なる願い。 「魔剣よ――」 「ぶっ飛べ――」 それは世界に選ばれし者たちの一撃。 「切り裂けぇえええええええええ」 烈風を纏わせ、灼熱を宿す炎の剣が邪神の胴体を突き刺さり―-両断。 神殺しの魔剣が、破壊”神”の因果を断ち切る。 「悪党ぉおおおおおおおおおおお!」 光輝を背負い、理不尽をぶっ飛ばす少年探偵の拳は、邪神の頭部に直撃し――爆散。 溢れ出る光が、その肉体を浄化してく。 「「ラァッ!!!」」 そして、閃光が溢れた。 異形の空は一瞬だけ、光に溢れた。 ――柊・光太郎ペア 正門突破 さて、某所でHIIRAGIを書く作業に戻るか。 なんか前スレで呼ばれた気がするので、書いてみたw 4-160、163 さて、増援部隊の第一陣のメンバーは三人 「こちらの準備は終わったわ」 戦闘用の魔女服を身につけた妙齢の女性、空色の魔女、ふみこ・O・ヴァンシュタイン 「ほっとくわけにもいかないからね。いつでもいいよ!」 ふてぶてしい猫を連れた少女、極楽台風、ニーギ・ゴージャスブルー 「急ぐのでゴザル。コウが城の主まで辿り着く前に!」 そして、間違った忍者装束を纏う青年、世界忍者ロジャー・サスケことロイ・バウマン。彼は光太郎の幼なじみでありーー 「みょ~に焦ってるわね、セプテントリオン。これってアンタ等が仕掛けたことなんでしょ?」 セプテントリオンのエージェント、RSその人である。 「この事件の半分以上が既に我々の手から離れている。それに……僕は、コウを護りたい」 「セプって身内も売るじゃない?」 「信じなくても結構!!僕はコウを護る……それだけだ!!」 真剣な面持ちで話すロイにアンゼロットは笑みを返す 「信じましょう。あなたが知らせた情報は信用に足るものですし、今は一人でも強い戦力が欲しいですから」 アンゼロットの言葉にロイは頷いた。そう、今の自分はロイ・バウマンではなく、友の盾たるロジャー・サスケなのだからーー!! 「けれど、何をそんなに焦っているのかしら?光太郎は私が見込んだ男よ。あいつならどんな敵も突破するわ」 ふみこの問いにロイは顔を歪ませた 「……今回の敵は“世界の秩序”……そして、その正体が問題なんだ」 「……どういうことですか?」 「……“世界の秩序”はコウのーー」 ロイが続けて言葉を発しようとしたーーその時 「そこから先は僕が説明しましょう」 皆の目前に突如として白い装束を纏った青年が出現した。 「お初にお目にかかります。僕の名前は玖珂晋太郎。光太郎の兄です。」 青年こそが“世界の秩序”にして玖珂光太郎の実兄である 「シン兄ぃ……!!」 驚愕するロイ。 そしてアンゼロットもまた驚きに目を見開き、言葉をもらした 「ワールド・オーダー……!!」 4-164-165 「我々が敗北するなど、ありえないことのはずだ」 その言葉は誰のものだったか。この場にいる全員の戸惑いでもあった。 彼らは人々の希望から生まれ、世界をも改変しうる力を持つ者ばかり。 だというのに、彼らの中から敗北する者が出ている。 「事実として負けた奴がいるんだ、それは受け入れるべきだろう」 真紅の魔眼を持つ少年は、まわりに向けてそう言った。 「俺も出る。負けるのは馴れてるから、問題ないさ」 彼の名はシン・アスカ、究極の一として生まれた者達のうちの一人である。 「だが、いいのか? 敗北はお前の本意ではないはずだ」 「そりゃそうさ。けど、俺は新参者だからな。それくらいはしないと」 そう言いつつも、彼の目には負ける気が見あたらなかった。 「で、八神和麻を味方にすればいいんだよな?」「ああ、数はそれだけで力だからな」 「わかった、じゃあ行ってくる」 瞬間、少年の姿が消え失せる。時空転移、彼が持つ力の一端である。 その八神和麻は、偶然にも東京に来ていた。 神凪綾乃と一緒にちょっとした仕事をこなしていたら、巻き込まれたのだ。 「しかし、見事に分断されちまったな」 突然奇襲されたと思ったら、既に綾乃は吹っ飛ばされていた。 さっきの相手は間違いなく綾乃より強い。そして、周囲には無数の敵が。 「急がないと、綾乃が危ないか」 どれだけ時間がかかるかわからないが、綾乃は確実に負ける。 ならば和麻の取る手段は一つしかない。 「こいつらを全力で潰して、最速で駆け付ける」 綾乃がそれまで無事であることを祈りつつ、彼はコントラクターの力を解き放った。 4-166 それはいつもの事だった。 「マモルー。ゆうなちゃんが変な城につれていかれたから晩御飯までに連れ帰ってきてー。」 「わかったよ母さん。」 高校生の子持ちでありながら若々しい母に言われて、 ボサボサ髪のビン底眼鏡の少年は渋々家の外に出る。 そして、一瞬で忍者装束へと姿を変える。 切れ長の目を城の方角へと向ける。 「早くゆうなを連れ帰ってゲームの続きをするか。」 彼の名は陰守マモル。 忍者の中でも最強と名高い陰守一族の少年である。 陰守一族は代々とある蒟蒻職人の一族を守る使命を帯びている。 お隣さん守り続けて400年 マモルは突如出現した城へと向かって走り出した。 当然、妨害してくるものもいるわけで、適当に蹴散らせながら駆けていく。 「陰守忍法バナナの皮手裏剣!」 人型の怪物の足元にバナナの皮を投げつける。 バナナの皮に滑って見事に転倒頭ぶつけて即死のコンボ。 一方その頃、その光景を監視していた者達は唖然としていた。 「バナナの皮でエミュレイターを倒すなんてありえない!!」 と、とある守護者のアンゼロットが唖然とするのは当然のこと。 「彼の攻撃は全て魔術効果が付与されるのでしょう。存在そのものが常識外のようですし。」 と、とある魔王のリオンが答えを導き出すのはいつものこと。 そしていつの間にか怪物の集団に囲まれるマモル。 「陰守忍法奥義 円盤カレイドスコープをみせてやる。」 「あっUFO!」 その一言で周囲の怪物たち及び監視をしている者達は停止した。 「えっUFO!?どこですか!?」 と、突然UFOを探し出すアンゼロットとロンギヌスの面々。 「えっUFO?どこどこー?」 と、つい探し出すベル&リオン他。 マモルはUFOを探す怪物達の隙をついてその場から離脱していた。 「私を暗示にかけるなんて中々やりますわねあの男。」 「大魔王ベール・ゼファーに暗示をかけるなんてやるわねあの男。」 と、同時にアンゼロットとベール・ゼファーがお怒り気味に呟くのであった。 「うぅなんか寒気がしたぞ。」 微妙な悪寒に震えながらマモルは式神の城へとむかうのであった。 一方、ゆうなはというと・・・。 「バーナナ、バナナ、バーナナ、バナナ、バナナナバナナナ、バ、ナ、ナ♪」 と、城の中の隠し通路を歩きながら、誰にも気づかれずに唄ってましたとさ。 4-180-183 ~地上戦~ 式神の城の直下。 城の外で戦うものが因縁めいたものと合しているならば。 城の中で戦うものがその指揮を執るものと相対しているならば。 STGにおいて「ザコ」と称される無数のものと対峙しているのは誰なのか。 こと侵略においては最強の敵である彼らを押しとどめなければならない。 「それこそこの世界の住人の仕事だろう!」 迫り来るのは有機的無機的シリアスコミカル巨大矮小入り混じった機械、機械、機械の群れ。 それはヴァーミスと呼ばれる機動兵器郡であったり、スカリエッティ研究所製であったり、「めいど☆いん☆わいりー」だったりした。 それらを自慢の魔剣で斬り、払い、薙ぎ倒して進むブレザーの少年。 見る人が見ればこう思っただろう。彼には柊蓮司の面影がある、と。 ~地上戦・もうひとりの参戦者~ 「ひぅっ!?」 「風音さんっ!」 「っ……こっのぉ! 好き勝手やってくれちゃってぇ!」 ひゅ、という風切り音。刹那のうちに、棒手裏剣で貫かれハリネズミのようになった機械……なのだろうか? 人間大の機動兵器が爆散した。 「空からはヴァーミス、だっけ? あの機械の。地上もワケわかんないのいっぱい出てるし。キリがないよぉ」 「ですわね……護法童子!」 ご、という鈍音に風音は振り返る。 逞しい体つきをした琴理の式神が、ヘルメットに足がついたようなメカを殴り飛ばしていた。 「ボクが後ろをとられてた!?」 「機械に気配はありませんわ!」 「そのとーりぃっ!」 さらにその後ろ。またも迫っていた機械が両断された。 「! あなたは!」 「!!! き、ききき君は!」 「「強化ちゃんはイメチェンしたというのに自分は色黒の子に出番とられて要らん子と化したまけん君!」」 「ハモるなっ! そして長い! さらには失礼だー!」 エア・ブレードで強化した射程に任せてザコをなぎ払いつつもツっこむ姿勢に二人は感銘を受けた。 嗚呼、柊の原型ここにあり、と。 ~地上戦・さらば愛しき参戦者~ 「俺はッ! 俺は要らん子じゃねえッ!」 剣を振るう。 「今! この瞬間! こんなにも世界を護っている!」 剣を振るう。だが柊ならぬ彼の限界は早い。 「例え出番がゼロだったって、俺を必要としてくれる状況が! 人が! あるならば! 俺は――」 剣を振る――えなかった。彼の魔剣は戦いの中でその寿命を全うし、折れ飛んだ。 「畜生!?」 ぎぃん、と刃の跳ねる音が、そして異音が聞こえてくる。 そう、聞こえてきたのだ、彼の耳に。聞きなれない、鈴のような少女の声が。 【宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ――】 「! なんだ!?」 【神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!】 瞬間、目の前に現れた銀色の鏡のようなものに彼は吸い込まれていった。 魔剣のない魔剣使い=魔剣使い-魔剣=使い、である。 ただこの場合は剣の折れた魔剣使いであるので、 魔剣使い-剣=魔 使い。しかしこれでは意味が通らないので空白を削除してアナグラムをする。 すると表れる単語は――使い魔。普通の地球では平賀くんが選ばれるのだが、その平行世界であるFTEの運命はこのもっとも使い魔に相応しい男を選んだらしい。 彼はその後、魔法を吸い込む古びれたおニューの魔剣とか二次大戦時に使用された三菱製の戦闘機とかに乗ったりして、 胸のない美少女と恋に冒険に大活躍することになるのだが、それはここで語るべきことではない。 ともあれ。 「えーと、消えちゃったね?」 「何をしにいらしたんでしょうか、あの方」 取り残された二人はただただ呆然とするばかり……でもいられない。 敵はまだまだわんさとやってくるのだ。 そうして、気付く。ウィザードとしての感覚が警鐘を鳴らした。城の直下、そこで膨れ上がる闇の存在に。 風音はちらり、と背後を見やる。100Mほど離れたところでピンク色の魔法少女?たちが赤い服のアバターと戦闘を繰り広げていた。 「琴理ちゃんセンパイ、あの人たちのさぁ」 「邪魔は、させられませんわ」 飛来する『ザコ』は雲霞のごとく。 それを蹴散らすため、少女たちは――駆ける。 妹と琴理ちゃんはSTG的に御札ショットと手裏剣ショットで大量のザコを駆逐中ということでいかがでしょ 4-185、187-188 みなごろしとにせもの-下っ端戦闘員vs正義の味方- 「……っ!?」 E-MIYAは息を呑んだ。 敵は赤いヒーローと魔法少女。彼の放った幻想の「矢」は、周囲の小物ごと敵を簡単に消し去れるだけの威力があった。 そして彼らにはその範囲から逃れる術はなかったはずだ。しかし、目の前の光景は想像を遥かに凌駕していた。 桃色の蟷螂怪人を左手に抱えた顔のないただの戦闘員が、正義の味方に負けるべき悪の組織の、その内さらに下っ端であるはずの戦闘員が。 右手で、その破滅の矢を握り止めていた。 戦闘員―――NO.37564は、前の赤い外套の騎士を睨みながらぽい、と抱えていた上司を放り投げて背後に向けて言った。 「レッド、魔法少女。コイツを頼む。戦闘力は弱くないはずだが、どうにも目を離すと危なっかしい。コイツと一緒にご町内を守ってやってくれ」 「へ?け、けどアンタは―――」 「俺はこの勘違い野郎の相手をしてやる。だから、さっさと行け」 「待てNO.37564!俺は、俺の中のヒーローは、コイツを許すわけには―――」 「お前らはヒーローだろ?この街にあるものを守るためにここにいるんだ、別にこいつと戦うためにいるわけじゃない。 その点、俺は戦闘員だからな。戦う相手がいて、しかもそれが正義の味方だって名乗るんなら相手をしないわけにはいかない」 ぱきん、と澄んだ音を立ててNO.37564の手の中で幻想の矢が砕け散る。 E-MIYAはさらに混乱する。 彼の生む矢は自らの意思によって強度が決まる、彼の意思こそが強度と言いかえてもいい「力」だ。 そして、彼らアバターは人間の想念が、欲望が、憧憬が生み出した幻想の塊。積み重ねられし人間の願望こそが彼らの能力にして力。 多くの人間に望まれた力が彼を形作っている、「歪なる最強の幻想」そのもの。 そんな力の積み重ねにより作られた彼の武器が、誰の幻想に支えられているわけでもない存在の手によって砕かれたことが、E-MIYAには本気で信じられない。 クロスは、決意の表情でNO.37564を見る。 「……本気なんだな?」 「なんだ、心配してくれてるのか?」 「別に心配はしてない。できるだけさっさと終わらせてくれ。お前の手も必要だ」 行くぞ、と言ってベホイミの襟を掴んでずるずると引きずっていくクロス。 ベホイミはまだぎゃあぎゃあとわめいているが、クロスはまったく意に解さない。 やがて―――赤い騎士と黒い戦闘員の間に、一筋の風が流れた。 赤い騎士が問う。 「貴様―――何者だ。この俺の偽・螺旋剣を片手で止める生き物など見たことがない」 「埼玉の所沢に『クロック』っていう悪の秘密組織があってな、そこの下っ端戦闘員だよ」 「ふざけるな。それだけの力を持つ生き物がただの戦闘員でいる組織ならば、とっくに抑止の世話になっていることだろうよ」 「って言っても俺の立場は本当にただの下っ端なんだが。向上心って奴をどこかに置いてきちまったらしくてね。 あぁそうだ、俺も一つ聞いていいか?」 無言を肯定と受け取り、悪の組織の戦闘員は赤い衣装の正義の味方に問う。 「―――お前の『正義』って、なんだ?」 シニカルな笑みを浮かべ、E-MIYAはその問いに答える。 「知れたこと。より人が幸せになれることだ」 「それで、一回世界を滅ぼすのか」 「悪の組織の構成員がその善悪を問うのか。より人が幸せになれる世界になるなら、それもまた仕方あるまいよ」 それは、本物の抑止の守護者はけして言わぬ言葉。狂った妄想の生み出せし、壊れた正義を振るう者の姿がそこにあった。 NO.37564は抑止の守護者のことを知っているわけではない。けれど、その目の前の存在が狂っていることだけは理解できた。 そして―――告げる。 「俺はこれでも正義の味方って奴と何人か会ってきてね。経験上、一つだけ言える。 ―――お前は、正義の味方なんかじゃない」 「なんだと?」 「確かに、一人の手でできることは限界があるだろう。救えないものだってたくさんあるんだろう。 俺は正義の味方じゃないから、その苦労は理解できないしその重みを考えることもないさ。 それでも―――それでもな、救えずこぼれた欠片を何度でも拾おうとする奴もいるんだよ」 思い出すのは、共に戦う戦友のこと。 赤いヒーローも、魔法少女も、子供達の夢と明日を守るためだけに戦っている。 たとえ救った子供が大人になって子供を脅かそうとも、今度はその子供をまた救おうと手を伸ばせる存在。 「何度でも、何度でも。皆が幸せになれるまで、皆が笑顔になれるまで、その手を差し出し続けられる者。 そんな存在こそが、俺の認める正義の味方だ。それ以外を、俺は正義の味方とは認めない。 なあ、自称正義の味方。 正義の味方が存在するために必要不可欠な俺に、悪の組織の下っ端に、認められない正義の味方なんぞ誰が必要とするっていうんだ?」 E-MIYAは、固い表情を崩さない。 たとえ自身の存在を否定するようなことを、たった一人に言われたところで彼を構成する妄想の群れは崩れはしない。 けれど、その言葉を否定する言葉は出なかった。 声が返ってこないせいか、NO.37564は続ける。 「お前が壊すのに荷担しようとしてる今のこの世界を見ろよ。本当に無駄だと思うのか。 この世界を、それぞれの理由で守ろうとしてる奴らが見えないのか」 この異常な戦場の中で、ただひたすら前を向き駆ける者がいる。 仲間のために、一つでも多くの敵を倒す者がいる。 傷ついた戦友を抱え、走る者がいる。 「なぁ、見ろよ正義の味方(ニセモノ)。お前は、この世界を守ろうと一生懸命な連中を無駄だと言ってのけるのか」 「くだらん」 問いかけに、E-MIYAはそう吐き捨てた。 「所詮は一時の感情に惑わされているだけにすぎん。この世界はもう限界だ、あちこち歪んで悲鳴を上げている」 「悲鳴を上げていようが、血反吐を吐いていようが、それでも世界は続いてる。 それを、たった一人の人間が無駄だと言って切って捨てていい権利なんかどこにだってありはしない」 「よくよく口が回るな。目障りだ、失せろ―――停止解凍(フリーズアウト)、全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」 その言葉とともに、大量の刃が発生してNO.37564を襲う。 白銀の嵐。その一つが心臓をでも貫けばその場で絶命する刃金の奔流がNO.37564を飲み込んだ。 あまりの質量の落下に、アスファルトが削り取られ、粉塵がもうもうと周囲に立ちこめる。 ふん、と鼻を鳴らすE-MIYA。NO.37564は、刃から一歩も逃れる時間はなかった。あれだけの刃が襲ったのだ、命があるわけがない。 もうもうと舞っている粉塵を、突如吹いた突風が吹き飛ばす。 ―――そこには、傷一つなく剣の檻の中に立つ戦闘員がいた。 今度こそ、E-MIYAの息が止まる。 ありえない。あれだけの刃の雨を受けて、生きていられる生物など存在しない。あの密度の剣の弾幕をかわせる生物など存在しない。 ならば、ならば――― E-MIYAの足が、無意識に一歩退った。 「貴様―――一体、『何』だ!?」 恐れを含んだその声に、先ほどと変わらぬ調子で、絶対の誇りを持って悪の組織の下っ端戦闘員は答える。 「さっきも言っただろ、俺は『クロック』の戦闘員―――正義の味方を叩き潰す、悪の組織の手先だよ」 言って。 巨大ロボをローキック一発で破砕し、正義の味方の拠点を潰し、ブラックホールに単独で放り込まれても帰還すると言われた最強の戦闘員は、自身の言葉を忠実に実行した。 正直言って、37564は反則です(笑)。 なんだよ成田せんせー、「終末が来てしまうということに対する反作用存在」って。 まぁ、本人がどっちかっつーとご近所英雄(本人悪の組織だけど)派なんで城には乗り込みませんが。 4-229-230 地に伏すのは、一人の侍。 彼は満足げな表情で、本来は存在しないはずの空を見上げていた。 彼の名はリン・バウマン。かつて「青い眼のサムライ」と呼ばれた役者。 しかし、あしきゆめ―――精神寄生体がとりついた彼は、本物の侍と遜色ない実力を誇っていた。 「見事だ」 「……これでも、郷里の方では武も教える者デス」 「ごめんなさい。私は、あなたを眠らせることしかできないから……」 青い眼のサムライの賞賛に、正直な言葉を漏らす二人の勝者。 金大正と赤羽くれはもまた、無傷とは言いがたい状況だった。 くれはの言葉に、役者はくつくつと笑った。 「それでいい。死に逝く者へできることなど、人間にはほとんどないよ。 私も、妻を失ったときにそれを思い知った……。 だから、前を向くといい。若いお嬢さん」 もっとも、私の言葉などなくとも君は前を向けるように見えるがね、と目を閉じたまま彼は告げる。 それきり。「青い眼の」リン・バウマンは空に溶けるように消えていく。 ひと時だけ眼を伏せる二人。 神職のくれはと道士の金だ。二人とも死に行くものへの礼儀を尽くす。 その時だ。 大量の岩石の群れが、その空間へと次々と降り注ぐ。 「何デスかっ!?」 「は、はわっ!?」 岩石の砲弾から逃れようと、くれはと金は別方向へと跳ぶ。 金は仁王剣を振るい岩石を跳ね飛ばし、くれはは実家からの支給品である破魔弓から簡単な魔法を使って次々と岩石の軌道を逸らしていく。 しかし、岩石の雨は止まらない。圧倒的な量に対応していこうとするも、いつかは限界が訪れる。 「くぅっ!」 先に限界を迎えたのはくれはだった。 いかに連射の効く破魔弓であろうと、3本ありある程度の自律行動のできる仁王剣と違い、対応が間に合わなくなる。 自身の上に降り注いだ巨大な岩石は、すでに避けきれる位置ではない。真っ向から迎撃を果たすしかない状況。 くれはは全身からプラーナを開放し、その一発に全てをかける。 「<ヴォーテックス・トライデント>ぉっ!」 闇の三叉は、彼女の頭上に迫る岩と拮抗する。 くれはは、渾身の力を込めてさらに魔法を押し出した。 「はあああぁぁぁぁぁっ!」 青い輝きが魔法に力を与え、その威力を底上げする。 そして、結果として彼女の渾身の一撃は巨岩を打ち砕いた。 しかし巨岩は砕け散り、破片が雨のごとく降り注ぐ。直前まで魔法に全力を注いでいた彼女に、それを回避する術はない。 いくつもの破片の直撃を受け、彼女は気を失った。 それはこの岩石降り注ぐ場所では命に関わる。金も駆け寄ろうとするが、彼を襲う岩石の雨が止んだわけではない。 すでに岩塊の雨はくれはまでの道を塞ぐように壁と化している。 そして、ぷつりと岩の雨が止む。 どういう理屈かはわからなかったが、金は最後に彼女がいた場所へと駆けつける。が――― ―――そこに、赤羽くれはの姿はなかった。 金は拳を痛いほど握り締め、とにかく状況を正確に把握するため、ふみこの万能執事へと連絡とるのを優先させた。 ――― 式神の城の奥深く。 白いマントの青年が、黒く長い髪の少女を抱えて立っていた。 青年の名は「世界の秩序」。力を欲したがために世界と同化し、いまや世界の一部として世界を動かす「白い世界」。 さて、と青年は呟いて真っ白に輝く光の玉のペンダントを少女の首にかけた。 「これでいいよ。後はこの娘を蜘蛛に組み込むだけだ。それくらいは君にもできるだろう?フットワーカー」 その言葉に曖昧に頷くのは、セプテントリオンの上級コードネームを持つエージェント。 はじまりは、同じく上級コードネームを持つRSを出し抜くために上に企画を提出したこと。 それがここまで大事になってしまっている。けれど、ここまで来てしまっては後には引けない。 彼は、目の前の世界の冷たい視線に答えることはできずともなんとか自分の命をつなぐための選択をし続ける。 青年は思い出したように問うた。 「あぁ、覚えているよね?約束を」 「玖珂光太郎が最後の間に着いた瞬間、お前に身柄を好きにさせる、だったか。 他にはないのか?」 「いや、覚えているならいいんだ。 あとは、これから他の邪魔が入らないために君の集めた連中に向けて命令しておいてくれればそれでいい」 「その程度はこちらも把握している」 じゃあ、よろしく頼んだよ。僕は挨拶をしてくるから、と彼は言い、その場から姿を消した。 フットワーカーは相手の気配が消えるのを待って、大きなため息をついた。 目の前に横たえられている少女をちらりと見て、彼女の首にかかる白い宝玉の説明を思い出す。 この宝玉は世界の力を引き出す玉。そう「世界」は言っていた。 それを、この娘の力を束ねる「依代」としての体質と、かつて七つの宝玉の力を遠き地へと送り出したことで作られた「転送」のパスを利用し、彼の切り札に利用する。 それが説明の全てだった。事実、娘にその両方の力が宿っているのは事実であったため、そのこと自体に不満はない。 仕事の時間だ、と頭を切り替えて、娘をかかえながら協力者達へと最後の攻撃の命令を下す。 ―――ここに、世界の危機が始まる。 4-233-234 「おい、光太郎生きてるか?」 「…ああ、なんとかな」 何とか城に突入した柊と光太郎だったがその代償はあまりにも大きかった。 上着はどちらもほぼ原形をとどめておらずワイシャツも血で赤く染まっていた。 「クソッタレさっきの野郎で思った以上にくらっちまったみてぇだ。」 「だが、ここで立ち止まるわけにはいかない…そうだろ柊?」 だが二人の闘志は全く衰えを見せていない。 それを嘲笑うかのように現れる魔物たち。 「へっ、上等じゃねーか…!!」 「手負いだからって甘く見るんじゃねぇぞ!!」 ふたりはかまえをとるがその構えはどこか崩れていた。 度重なる激戦で二人の体力は限界に達していたのだ。 魔物たちは好機と判断し一斉に襲い掛かる。 だが・・・ 「スレッジハンマー!!」 突如現れた巨大なハンマーを持ったツインテールの少女が魔物たちはなぎ払った。 「な、なんだぁ!!」 当然の乱入者に柊たちは驚く。 「んふふ~、さすがは317ちゃん。頼りになるわ~♪」 「誰だてめぇは!!」 声の主の方に視線を向けるとそこには女性がいた。 …なんというか青少年には大変目に毒な格好をした。 「私はクラリス・パラケルスス、錬金術師よ。」 (なんだろう、アンゼロット並みに関わっちゃいけねぇ気がする。) 彼女の雰囲気に柊は警戒する。 「で、その錬金術師様が何でこんなところに。」 「はぁ、これだけ大きな城なんだからお宝の一つや二つは有りそうだしね。それに・・・」 クラリスは柊に視線を向け、 「君にすっごく興味があるのよね~♪」 「俺に?」 「そうそう、さっき君たちを助けてくれた子あれ私が作ったホムンクルスなのよ。」 「何だって。」 柊と光太郎はさっき助けてくれた少女に目を向ける。 「あたしの最高傑作なのよ~」 クラリスの言葉に柊は嫌な予感を感じる。 クラリスの笑みがなんだがどっかのロリババァと重なったからである。 「何企んでるんだ、あんた。」 柊は警戒心をあらわにする。 「ん~、その前に取引しない?」 「取引?」 「そうそう、私は君たちを完全な状態まで治療することが出来るわ。」 「つまり治療してやるからあんたに宝探しに付き合えってか?」 「そのと~り。そんでもって柊君にはちょっと私の研究に協力して欲しいのよ。」 「…研究!?」 柊は嫌な予感がした。 そしてそれは的中する。 「今度新しいホムンクルス作ろうと思ってるんだけどそのベースを柊君にしてみようと思うのよ~」 「…マジか!?」 「うんマジマジ。何たってウィザード随一の戦闘力は魅力だし美形だから結構高値で売れそうだから。」 「ふざけんな、そんな理由で俺をホムンクルスのベースにするなぁぁぁぁぁぁ!!」 思わず柊は叫んだ。 「マスター、敵です。」 待機していた317の報告どおり周囲には何時の間にか魔物が集結していた。 「ゲッ…」 「んふふ~、どうやら拒否は出来なさそうの状況ね~」 クラリスの言うとおり状況はかなり危険な状況だ。 はっきりいって今の柊と光太郎は戦力にならない。 いくら317がクラリスの最高傑作でも多勢に無勢だ。 それ故に二人が出した結論は。 「だぁぁぁぁぁ、仕方ねぇ。宝探しでも研究でも付き合ってやるからさっさと治療してくれ!!」 「交渉成立~、それでは!!」 クラリスは魔力を放出する。 すると二人の傷は見る見るうちにふさがっていく。 それだけではないボロボロの衣服も新品同様に修繕され、疲れすらも消えていた。 「すげぇ。」 クラリスの力に感心する柊。 「それでは、お宝目指してれっつご~♪」 こうしてクラリスを加えた柊たちは最深部を目指す… ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/onikos-saku/pages/29.html
動画紹介ページは動画「テンプレ」wiki開設者に従って投稿してください。 【上部メニューの「メニュー」→「すでにあるページをコピーして新規ページを作成」→動画「テンプレ」wiki開設者】?ヘルプ 又は【動画「テンプレ」wiki開設者→上部メニューの「編集」→「このページをコピーして新規ページを作成」】?ヘルプ を利用すると便利です。 まとめwiki公式動画一覧 / まとめwiki公式動画タグ検索 投稿日 タイトル 投稿者 コメント 2010/11/00 小日本投票 投稿者 投票終了済み 名前 コメント